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6) それは半ばタルパにも似た

身体を撫でてやった。私のために怪我を負うトリコに罪悪感を感じていたから。
[目]を取り除いてやった。ゲーム進行に必要なことだと理解していたから。
[鎧]の囮になってやった。ゲームオーバーを繰り返すことに疲れていたから。
  
これらはあらゆる試行錯誤の結果でしかなく、答えは別の形で、最初からずっとそこにあった。
トリコを信頼し、また、トリコから信頼されること。
私にできるたったひとつのことは、最初から、これに尽きていたのだ。


トリコが私を背に乗せて空を飛んだあの時から、このゲームをプレイすることが、己の鎮魂のための義務ではなくなった。
翌日の仕事中も、トリコのことばかりを考えていた。
あの場面ではこうしよう、次はこれを試してみよう。
きっと、もっと、ふたりで、できることがあるに違いない!

私は不思議なことに、ゲームの中の架空の存在であるはずのトリコを、
現実においても求め、また、信頼し始めていた。

仕事が終わるとすぐに、私は旦那にこうLINEを送信した。

「こんやも、とりこ、します」

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